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zoom RSS 『世界が終わるまでは』 (3)

<<   作成日時 : 2009/05/08 23:59   >>

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「総理……、アレは何なのでしょう」

「わからんな……。誰かこの状況に、説明しよう! ってナレーションでも付けてもらえないだろうか……。できたら富山敬の声で……」

 阿藤総理は遠い目をして、葉巻の煙を吐いた。

 早畑少佐は苛立って机を叩いた。

「現実逃避はおやめください、総理! とりあえずは、みずから恐怖の大王と名乗ってます。なぜ今さらノストラダムスのそれを名乗るのか知りませんが、論理的に考えれば異星生命体の侵略と考えてよろしいかと!」

「異星生命体? まさか、あれがエイリアンとでもいうのかね早畑くん。どうみてもギーガーがデザインした感じではないなぁ。グレイとも違うし。あの姿はどうみてもハ○ション大魔王っぽいのだが……」

「――まぁ、たしかに……似てますな……」





「呼ばれてないのにジャジャジャジャーン! 恐怖の大王でーす。ちわー、地球を滅亡させに来ましたー」

 まとわりつくような陽気な声が、全地球人類の脳にこだまする。

 この時、全人類の八割以上が、「ウザッ」と思ったという……。

 その冷たい空気を、巨大な肥満したヒゲオッサンにしか見えない恐怖の大王は、敏感に察知した。

「なんでやねーん。怖がれー、せっかくきたのに何この、めんどくさい空気は〜。大王は怒っちゃうぞー。拗ねちゃうぞー」

 恐怖の大王は、腰に両手を当てて憮然とした。

 そしていきなり、足元で活動停止している紫のヤバンゲリオンをむんずとつかみ、軽々と持ち上げる。

 大王の貧相な腕に、ビキビキと筋肉が盛り上がり、投擲体勢に入ってそのままぶん投げた。

「大王、マジ半端なく、軽くブルーはいっちゃったんっスけどぉ〜、どっかへとんでけウィッシュ☆」

 あっという間に、紫のヤバンゲリオンは空の彼方へと消えていった。

 自衛国防軍のレーダーには、浦安までぶっ飛んでいくヤバンゲリオンが観測されたらしい。

 少し気が晴れたのか大王は、腕を胸で交差させ軽く決めポーズをしてから、その場に座り込んで、目前に広がる街と商店街をながめた。

 一般市民は見当たらず、自衛国防軍の戦車が何両も恐怖の大王に砲塔を向けていた。

 戦車砲が大王のケツに何発か命中し、大王は命中箇所をポリポリと掻いた。

 大王は手を伸ばして、片っ端から戦車の砲塔を上へ曲げていった。自衛国防軍の部隊は全面撤退を始める。

 やがて、おもむろに商店街を物色し始めた大王は、惣菜屋さんを店ごとつかんで、口に放り込んで咀嚼した。

「うーむ、うまい。このコロッケもハンバーグも、まったりとしていて、それでいてしつこくなく……」

 そう言ったとき、大王は都心方向に何かが発光したのを見た。

「なにぃっ!」

 派手な光が、大王のタヌキ腹に直撃し、爆発が起きた。

「あちちちち!」

 さらに別方向からも、強烈な閃光が襲来する。

「ほえ〜!」

 腹巻が焦げて、大王はその場で転げまわった。

 どうやら高エネルギーのビームが打ち込まれたらしい。

 地面でクルクル回転する大王のせいで、街が崩壊し、ビルが倒壊する。

 大王が攻撃方向を見ると、赤いヤバンゲリオンと青いヤバンゲリオンが見えた。どうやら陽電子ライフルで狙撃してきたらしい。

「ごらぁぁ、オッサンは使徒じゃねー!」





 総理官邸地下のディスプレイには、二機のヤバンゲリオンが、でかいオッサンに掴みかかってるシュールな映像が映っていた。

 強力な陽電子ビームが命中しても、煙草で服に穴あけたレベルでは、さすがのヤバンゲリオンも苦戦中である。

 早畑少佐も、大当たりー、大当たりー、とついさっきまで叫んでいたが、今はディスプレイをブっ叩きそうな表情をしている。

 そのとき、対策室のオペレーターが慌てて紙片を持って走り寄ってきた。

「総理! アメリカのアベベ大統領から緊急電です!」

「なに? 何だ、いまさらどうしたんだ。チッ、まったく世界最強の米軍様は、地球の危機にまったく役立たずじまいだったじゃないか」

「読みます! 『……このさい全人類でクシャミしてみたらどうだろう』 ……とのことです。これはどういうことでしょうか。いったい何をいっているのかわかりませんが……、総理! これは、もしや何かの秘密暗号ですか!?」

 阿藤総理は、ハッとして目を見開いた。

 わなわなと肩を震わせて立ち上がって叫んだ。

「ビックアイディア!」





つづく







―――――――――――――――――――――
^o^ 連休は、ほとんど働いてた。
   忙しくて死ぬかと。
   でも、そのうち代休がくるのネ(*^-^*)
―――――――――――――――――――――
(C) 2009 Homura

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
おおう、更なるカオスな展開。生活感あふれる総菜屋の描写が何とも笑いを誘いますねー。同時に恐るべき味覚の鋭さに驚嘆するばかりですが。使徒の存在も知ってるし、力だけではないようです。●イやア●カもまた死ななければいいけど・・。

連休中は何だかいろんなサイトで更新がストップしていて、ブルーな気分になっていました。ゴールデンウィークのはずなのに・・。
アッキー
2009/05/09 00:55
>アッキーさん。
おぉ、自分で書いててどうしたいのか、もうわからん。着地地点見失ったのだが…まぁいいか、たまには何も考えずに書くのもいいさ(よくねぇよ)。

まぁね。連休はどうしてもアウトドアになるからね。ああ、遠く旅に出たいな。でも、インフルちゃんに撲殺されそう。
火群
2009/05/09 01:36
呼ばれて飛び出て?
ああ、端正なSFがどんどん壊れていく……。
早く火群さんに代休を!
今後も壊れっぷりを期待してます(笑)まだまだ続きますよね?
女性読者向けにイケメン戦士を、男性読者向けにチラリズムを☆
ia.
2009/05/10 01:47
これが当初エイプリルフール企画に出そうとしていた作品なんですね。
ハリウッド映画のようなSFに始まり、政府のトップが絡んできてスケールの大きな作品だなと思っていましたが・・・まさかの恐怖の大王の出現(笑)しかもノリが軽っ!!
話がどんどん膨らんでいきますね。収拾がつくんでしょうか? 楽しみにしてます(^-^)
shitsuma
2009/05/10 19:42
>ia.さん。
これはたぶん、第二の人格“アホの火群”が書いたんだとおもう。
第一の人格“マヌケの火群”が書けばここまで壊れないのに。
くそっ、第三の人格“ドアホの火群”が目覚めさえすれば!
火群
2009/05/11 01:53
>shitsumaさん。
すいません、とことん“バカ丸出し”です。
狂いまくったやつを、みんなに読ませようという、嫌がらせに近いことをしようとしたら、時間が無かったなぁ。残念。

うーん、もはやオチからはじまってるような話をどうやってオトせばいいのやら……。
火群
2009/05/11 02:13
はじけっぷりが潔くて気持ちいいわ。
どんなピンチにもユーモアが必要なんだと思わせてくれます。そうよ。ユーモア。きっとユーモア。

つる
2009/05/11 02:28
>つるさん。
あー、ごめーんネ。さすがに胸やけするだろうから、他のもはさみますー。
火群
2009/05/11 08:34

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