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みんなの「小説」ブログ

タイトル 日 時
『膝枕』 (下) X’mas短編競作企画参加作品 
 ほどなくして、芳阿はデパートのアルバイトをやめた。  芳阿は美紀にたいして好意を越えた感情を抱いていたが、あれから深入りしたらどうにもならなくなるような不安を抱いていた。  みずからの不安定で浮き草みたいな立場も、彼女を考えるたびに軽くに思えてしかたがなかった。頭の中がぐちゃぐちゃになっていた。芳阿はそういう気持ちをすぐにコンパクトにまとめることができるほど器用ではなかった。  暗く生きてもしょうがない、どう生きたっていずれ死ぬ。ならば、いっそ緩く明るく生きよう、というのが、芳阿の生き方... ...続きを見る

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2010/01/01 23:52
『膝枕』 (上) X’mas短編競作企画参加作品
 悪い夢を見た。  芳阿はそう言って押し黙った。  美紀は何も聞かない。  ベッドの中、芳阿は美紀のとなりで天井を見つめている。  美紀は大きく息を吐いてから、そっと目覚まし時計のLEDランプをつける。  午前五時だった。  言わないなら知りたくない。必要ないから言わないのだろう。  美紀はそう思っている。無理に聞く意味もないし、大事なことがあれば自分から話してくれるに違いない。  つまんない性格だな。  美紀は自分が空虚なことを自覚している。いや、正しくは空虚なものを抱えてい... ...続きを見る

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2009/12/31 23:43
『かみひとえ』
 あるクリスマスの日、サンタのおじさんは一軒の家へと入りました。 ...続きを見る

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2009/12/17 01:45
ガチャ!
 ドアを開けて、犯行現場を確認した警部が会議室へ戻ってきた。 ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 1 / コメント 11

2009/09/29 21:18
なんだ、また来たか。おまえさんも毎年よく来るなぁ。
今日は誕生日だった。 面白くないので、酒を飲む。 越のなんとかという、たいそうな名前のついたやつをもらってあった。 悪くない。 悪くないが、俺自身が、基本的に安っぽい生命体なので、合わない気もする。 ほろ酔いで止めておく。 醒めてから、ブログも更新しなくてはならない。 ふつーに短文を呟いてるだけなら、ついったーでも、わっさーでもやればいいってことになりかねない運営状況なわけで、まったく困ったものだ。 ...続きを見る

驚いた ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 8

2009/09/05 23:59
『彼女のしっぽ』
 ある日、帰宅すると同棲中の彼女に尻尾が生えていた。 ...続きを見る

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2009/06/15 23:58
『世界が終わるまでは』 (4)
 十分後、緊急放送とネットによって、全人類が日米首脳の要請に応じ、クシャミスタンバイに入った。 ...続きを見る

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2009/06/03 23:41
『ノッキング・ドア』
 いつのまにか、心が迷子になってしまうことがある。 ...続きを見る

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2009/05/13 20:58
『世界が終わるまでは』 (3)
「総理……、アレは何なのでしょう」 ...続きを見る

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2009/05/08 23:59
『世界が終わるまでは』 (2)
 時は来た。 ...続きを見る

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2009/04/28 01:42
『世界が終わるまでは』 (1)
 その日、米国のNASA(アメリカ航空宇宙局)が巨大な物体を宇宙に観測した。 ...続きを見る

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2009/04/22 23:59
『世界が終わるまでは(俺と君の場合)』
 テレビを付けると、報道特別番組で埋まっていた。 ...続きを見る

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2009/03/31 23:58
『世界が終わるまでは(あたしと彼の場合)』
 いつもの駅前デパートの入り口で、あたしはあいつを待っている。 ...続きを見る

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2009/03/31 08:30
『世界が終わるまでは(僕と彼女の場合)』
 携帯電話が鳴ったが、僕は空を見上げたまま雲を数えていた。 ...続きを見る

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2009/03/30 18:00
『祖父の深き想い』
 その日もおじいさんは、窓辺の揺り椅子に腰かけて外を見ていた。 ...続きを見る

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2009/03/14 02:18
『ポップくん』
 きのう、マリーちゃんにチョコレートをもらった。 ...続きを見る

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2009/03/13 23:57
『スナイパー VS スナイパー!』
 寒風吹きつける真冬の早朝、男は雑木林の冬枯れした茂みから顔を出した。 ...続きを見る

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2009/01/09 23:59
『ヒーロー』
 母さん、お元気ですか。 ...続きを見る

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2008/11/26 23:58
『無題』
 僕は、すばらしい作品を世に出そうと思っている。 ...続きを見る

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2008/09/18 22:25
『夏への別れ』(下)
 私たちの初めてのデートは、動物園だった。 ...続きを見る

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2008/09/17 01:50
『夏への別れ』(上)
 遥か遠くで、ひぐらしの声がした。 ...続きを見る

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2008/09/03 23:55
『来訪者』
 扉は鍵が閉まっているか? ...続きを見る

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2008/09/02 23:30
『おさるの惑星』
 ここは、ユーラシア大陸の小さな独裁国家ヒンデンブルグ――。 ...続きを見る

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2008/08/29 23:58
お題で書いてみるネ。二回目。
なんていうか、またまたリクエストお題を、募集してみます。 ...続きを見る

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2008/08/25 23:59
『運命の赤い糸』
 早朝、うなされて目を覚ますと、手が妙にひっぱられる感覚がした。  おれは、腕がつったのだと思って、しばらく寝ぼけ眼で横になったままじっとしていた。  ところが、いつまでたっても変なので、寝違えたかなと腕をさすってみた。 「なんだこりゃ……」  見ると、指に何やらぼんやりと赤い糸が付いているではないか。  クエスチョンが大量に脳裏を行進していった。  ――まさか、これが、運命の赤い糸か……。  おれは一気に目が覚めた。  なぜ見えるようになったのかは知らないが、これはすごい事だ。... ...続きを見る

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2008/08/18 23:55
『生ける伝説』
 ここに、伝説の女性格闘家がいる。 ...続きを見る

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2008/08/07 20:10
『恋の直感』
 あたしは恋をしたことがない。  本当は焦っているのだけど、残念なことにその機会に恵まれていない。  友達は、やたらと恋の話をするし、誰が別れただの、付き合ってるだののオンパレードだ。  そういう子は、男の子の気持ちを読んだりするのが巧いのだろうか。  それとも、この世には、恋をする才能でもあるのだろうか。  あたしにはよくわからない。  もちろん好きだ嫌いだはわかる。  別に人間としての感情が欠落しているわけじゃない。  とにかく恋というものが実感としてないのだ。  みんなが... ...続きを見る

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2008/08/06 23:58
『クイズの時間です』
 遅く起きた日曜の午前十時すぎ。 ...続きを見る

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2008/08/05 23:56
『バー・シャッフル』
「ここだよ」 ...続きを見る

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2008/08/04 23:55
『誤解』
 浩市が、久しぶりに大学の仲間とファミレスで集まって、どこか遊びに行く相談をしていると、携帯が鳴った。 ...続きを見る

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2008/07/29 22:45
『健康にいこう』
 私は健康診断の再検査の結果を聞くために病院を訪れていた。 ...続きを見る

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2008/07/24 20:10
『Kiss Me Good Bye』(キス・ミー・グッドバイ)【3】
 サクラは、自分の目でアユミを見た。  彼女の肉体は、高校生くらいに見える。しかし、アユミの思念は、それよりも五歳は若いのではないだろうか。  おそらく事故にあった年齢で、心の成長が止まってしまっているのだろう。  サクラは、なんとなくいたたまれなくなった。 (サクラくん、何してるの?) 「……アユミちゃん、ありがとう。僕は姿を持つ事ができた。僕もアユミちゃんに何かしてあげたいな」 (……いいよ。別に、そんなこと。あたしは、寂しかったからお話できて嬉しかったし。でも、あたしもサクラく... ...続きを見る

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2008/07/23 23:55
『スナイパー』
 風が止みはじめていた。 ...続きを見る

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2008/07/11 23:58
『Kiss Me Good Bye』(キス・ミー・グッドバイ)【2】
 それから沢山のことを語り合った。  アユミの通う学校のこと。やさしいママの話。働きすぎのパパの話。真面目で融通の利かないお兄ちゃんの話。過去のこと、未来のこと――。  彼は……サクラくんということになった彼は、真剣にアユミの、その一語一語を、心に刻み込むようにして聞いた。  アユミが語り尽くすと、サクラはこの地域の歴史について話した。  彼の記憶はそれしかないから。  アユミは静かに聞いていた。空の美しさについて、風の音のすばらしさについて、雪の重さの大変さについて。  長い長いお... ...続きを見る

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2008/07/08 23:57
『Kiss Me Good Bye』(キス・ミー・グッドバイ)【1】
 その桜の木は、世界を俯瞰して見つめる、全体意識としての一部でしかなかった。  流れていく時間は、一秒でもあり百年でもある。  そんな世界に直立して、際限なく、ただ見ている存在でしかない一本の桜の木であった。 ...続きを見る

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2008/07/07 23:23
『騎士の誉れ』
 今とは違う、とある時代のお話です。  大国に挟まれたある国では、騎士の地位がとても高く、きわめて名誉ある存在でした。  騎士の一騎打ちが、戦争の勝敗を決める時代です。  小国にとって、騎士とは国の存亡を握る重要なものでした。   礼儀と知恵と力を備えたものだけが騎士になれ、財や名誉を受けることができます。  そのかわり、ひとたび戦になれば彼らは命を賭して戦うのです。  だからこそ、この国では騎士は、必ずしも世襲のものではなく、平民からもなることができます。  国家の養成所もあり、... ...続きを見る

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2008/06/29 02:00
『最後の王国の、失われた伝説』
 砂の粒が、また頭上からさらさらと舞い落ちてきた。 ...続きを見る

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2008/06/13 23:00
『手のひらの上にて』
「よっ、元気?」 ...続きを見る

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2008/06/06 01:00
『謎の組織』
 どこともわからない、閉ざされた薄暗き空間に、巨大な板が浮かんでいた。 ...続きを見る

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2008/05/29 02:00
『夕立雨に雲ながれ』(後)
 ――思えば、彼女と付き合うきっかけになった日も、夕立だったなと、僕は思いだした。 ...続きを見る

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2008/05/28 00:40
『夕立雨に雲ながれ』(前)
 初夏の昼下がり、街は清々しい風を受け、その身を躍らしている。 ...続きを見る

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2008/05/27 02:30
お題で書いてみるネ。
なんつーか、企画とかっていうわけでもないけど、 気分転換に、お題を募集してみます。 ...続きを見る

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2008/05/25 10:00
『誘拐』
 休日の昼下がり、リビングのソファーで居眠りをしていると、携帯電話が鳴った。 ...続きを見る

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2008/05/23 02:00
『クロックワークな日々』 
 ――今朝は、だるいな。 ...続きを見る

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2008/05/22 23:57
『煙』 & 『落下』
『煙』 ...続きを見る

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2008/05/21 23:59
『手玉』
「なあ、ユミ、俺のいいところってどこだろうな」 ...続きを見る

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2008/05/13 00:28
『ゆめ』
「ねぇ、ママ。わたし、大きくなったら、おとなりのシン兄ちゃんみたいなカッコイイ、ボーイフレンド作るんだー」 ...続きを見る

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2008/05/12 23:59
『サル山のサル』
「あの子かっわいいー!」 ...続きを見る

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2008/05/10 00:21
『世知辛い泉』
「やっと、たどりついたぞ」 ...続きを見る

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2008/05/09 23:58
『お大事に』
 病院の待合室は混雑しており、老人でいっぱいだった。 ...続きを見る

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2008/04/25 23:59
『橋の向こう』
 オレは、夜の公園で焦燥感にせかされながら、彼女を待っていた。 ...続きを見る

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2008/04/16 23:55
『風が吹けば』 【100作品達成記念】
 春の風は強い。 ...続きを見る

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2008/04/11 19:48
『雨のち晴れ』
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2008/04/04 23:55
『主婦の投資術』
 「そうねぇ、大体、月三万ほどの投資で、年間五百万はかたいわ」 ...続きを見る

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2008/04/03 23:59
『レッドレイン』
 ユキは、中学校から帰宅するとき、いつもとは違う道を通った。 ...続きを見る

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2008/03/28 23:54
『平凡な日常』
 有紀は全力で走った。 ...続きを見る

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2008/03/27 23:55
『ある春の夜の死闘』
 世の中は四月を迎え、桜が咲いて、生命の季節を迎えていた。 ...続きを見る

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2008/03/19 01:25
『魔法の薬剤師エリカちゃん』
「はぁーい、あたし、エリカちゃんよー。あたしったら、いつもは薬剤師のふりをしてるけど、本当は魔法のプリンセスなの。マジカルな異世界から、地球の平和を守るためやってきたけど、この世界では魔法のプリンセスも働かないと食べていけないのー。焼肉定食……いえ、弱肉強食よねー。だから今は、魔法のお薬を調合して、沢山の人を助けるために日々努力している所なの。魔法のお薬を処方したら違法かもしれないけど、苦しむ人を助けることが出来て、あたしも儲かっちゃって一石二鳥だから、オールオッケーね。魔法のプリンセスが儲かっ... ...続きを見る

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2008/03/11 23:45
『エモーション』
 今日は一日調子が悪かった。 ...続きを見る

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2008/03/10 23:57
『明日のリュウ』
 誰もがありえないと思っていた。  犬がボクシングをするなんて。 ...続きを見る

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2008/03/02 23:58
『夕餉』
 敬子が三ヶ月になる一人息子を抱きながら家に帰ったのは夕刻だった。 ...続きを見る

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2008/02/22 08:41
『記憶にない少女』
 高校二年のある日、僕は小学生の頃の友達に出会った。  コンビニエンスストアで、声をかけられて、初めて気が付いた。名前がとっさに出てこなかったので、あたふたしていると「鈴木だよ。小学校の時の、光一だよ」と名乗られてしまった。  光一は当時、登校拒否児童で、家が近かった僕は、たまに宿題の藁半紙などを届けていたことがある。  小学四年生のときに転校してしまったため、それからは知らないが、東北のほうへ父親の会社の都合で行ったということだけは知っていた。  久しぶりの光一の顔は、だいぶ精悍になっ... ...続きを見る

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2008/02/13 19:00
『今日の運勢、カウントダウン』【短編競作参加】
 ――今日、運勢が悪いのは、おとめ座のあなた、忘れ物に注意……  ――今日、運勢が良くないのは、名前の最初がア行のあなた。強情に……  ――今日、一番曇りがちの運勢は、九月生まれのあなた。神経質は……  ――今日、もっとも運勢の低下気味なのは、巳(へび)年のあなた……  ――今日、運勢レース、最後だったのは、血液型O型のあなた…… ...続きを見る

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2008/02/13 18:45
『なぞなぞマー君』
【(注)試作です。更新しますが、読まないほうがいい(;´Д`)】 ...続きを見る

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2008/02/11 08:55
『愛せども、雲かすめ』 【短編競作“裏”企画】
「桜並木が綺麗だったよ」  彼女はふいにそういった。 「今日はどうしたんだ? やけに感傷的じゃん」 「いいじゃない、たまには……」 ...続きを見る

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2008/02/08 19:56
『魂を咬むもの』
 今から三十五年前、私は二十八歳だった。 ...続きを見る

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2008/02/06 23:58
『ランプの魔神ちゃん 3』 【不屈の捜索編 B】
☆注 『ランプの魔神ちゃん 3』 【不屈の捜索編 A】とつながっております。そちらからスタートしてください。 ...続きを見る

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2008/02/05 02:10
『ランプの魔神ちゃん 3』 【不屈の捜索編 A】
☆良い子のみんなにお知らせ☆☆☆☆☆☆☆ ...続きを見る

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2008/02/05 02:05
『光と闇』
「光あれ」と神がいった。 ...続きを見る

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2008/02/04 18:57
『あるいは想いを遂げる僕』
 彼女に対して、僕は悪意と陰鬱なるものを内に溜め込んでいた。 ...続きを見る

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2008/01/30 01:11
『おじさん』
 長距離トラックドライバーの私は、家に帰ると、五歳の一人娘に、おじさんと呼ばれる。 ...続きを見る

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2008/01/26 23:58
『世界は、ことごとく、変わり候』
 僕は、一年間のオーストラリア留学から帰ってきた。 ...続きを見る

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2008/01/25 22:42
『ランプの魔神ちゃん 2』
 オレは、あの日から、ランプを探し始めた。 ...続きを見る

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2008/01/18 23:55
『そういうこと』
 僕は、姉さんが苦手だ。 ...続きを見る

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2008/01/17 00:53
『肉体の目覚め』
 ある朝、良行が目を覚ますと、手のひらに何か文字が書かれていた。 ...続きを見る

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2008/01/11 21:13
『正義』 【後編】
 正義は、屈強な組員を五人ほど連れて、組長の得た情報から白蜥蜴を探った。  二日後、午後四時。  白蜥蜴は、どうやら街の南にある繁華街の外れ、取り壊す寸前の雑居ビルにいることが判明した。  正義は、ロシアから密輸された中型自動拳銃マカロフと、ジェラルミンのブリーフケースを持ってビルに急いだ。  車内から携帯で子分に指示をしながら、少し離れた路地で車から降り、ビルに近づいた。  すでに子分たちはビルを包囲しているはずだった。  情報をよこした組直属の密告屋(タレコミ)の松田によれば、怪... ...続きを見る

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2008/01/10 23:59
『ランプの魔神ちゃん』
 ある日、燃えないゴミを出しに、ゴミステーションへ行くと、見慣れないランプがあった。 ...続きを見る

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2008/01/08 22:13
『正義』 【前編】
 墨山組の若手であり、組長(ボス)の息子である墨山正義が、新しい地位である副組長に座ったことに、組員の誰もが異論を口にすることはなかった。  そもそも組長の息子であるから、いずれは幹部に就任するのは目に見えていたし、遠い先には組長の席もある。他の幹部の何人かは、若さを理由に時期尚早ではないかと心の中では思っていたが、口に出すほどのことでもないと考えていた。  正義は、今年三十歳になったばかりの若造であり、大学を出るまで、ほとんどカタギの世界にいた。そのため組内では異質の存在だった。  組に... ...続きを見る

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2008/01/07 23:54
『メリークリスマス、マリー』 【後編】
 それから、あたしたちは定期的に会うようになった。 ...続きを見る

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2007/12/25 08:56
『メリークリスマス、マリー』 【前編】
 あたしの恋は、まるで雪のようだ。 ...続きを見る

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2007/12/25 01:00
『ストレンジャー』
 その部屋は、巨大な研究施設の中につくられたものであり、四角形の十二畳ほどの大きさで、四方を分厚い強化ガラスで囲まれている。  強化ガラスは大口径ライフルでも打ち抜けないもので、おそらく対戦車ロケット弾の一撃にも耐えうるだろう。  天井も厚いコンクリートで固められており、内側表面にはケプラーより強い新型の衝撃吸収素材が使われている。  その天井には部屋のすべてを照らせる、高輝度の照明が使われており、その部屋にいる、一人の男を完全に監視するためには必要である。  部屋の空気は完璧な循環シス... ...続きを見る

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2007/12/21 23:58
『師走の老年』
 冬は嫌いだ。    本当に大嫌いだ。 ...続きを見る

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2007/12/19 21:55
『師走の中年』
 冬は嫌いだ。    本当に大嫌いだ。 ...続きを見る

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2007/12/19 20:29
『師走の少年』
 冬は嫌いだ。    本当に大嫌いだ。 ...続きを見る

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2007/12/19 17:45
『彼氏自慢』
 久しぶりの同窓会だった。  中学校時代の同窓会だから、もう15年ぶりのことだ。  今までは大事な仕事が重なって、行けなかったけど、今年は大きな慶事があったから、どうしても行きたかった。みんなに会うのが楽しみだ。 ...続きを見る

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2007/12/14 19:58
『心に響かないファンタジー』
「おお、よく来た、勇者よ。本当にそなたが魔王を倒す旅にでるというのか」  国王は大げさな身振りで、厳かにいった。  王宮の謁見の間では、王を前にして、若き勇者アインがひざまずいていた。 「はい。国王陛下!」  左右に並んだ臣下や、騎士たちがざわめいた。  なぜ、彼がという目が大半であった。勇者としての資質など、誰もわからないのだから仕方がない。 「そうか。まずは、楽にせよ」  アインは立ち上がった。  彼の背中には、いかにも強そうな巨大な剣が見える。  ちなみに、この剣はアイン... ...続きを見る

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2007/12/09 23:59
『名も無き戦士』
 戦士として最強を目指すには、なにかのプロフェッショナルに成るのがよい。  剣を極める。槍を極める。斧を極める。中には棒術などもある。  最強を目指す、名も無き戦士は、一本の棒ひとつで旅路を急いでいた。  なぜならば、最強を目指すからには、長い旅を歩む必要があるからだ。  荒れ狂う戦乱の世にあっても、自分を高めてくれる相手に出会えなければ意味がないのである。  名も無き戦士は、今日も、強さの究極を目指して突き進んでいた。 ...続きを見る

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2007/12/05 20:35
『これもなにかの縁』
 ささいなことで、妻と喧嘩した。  それは、いつもなら軽く流すようなことだった。  おれも、めんどくさがってフォローしなかったのも悪いが、あいつも、もう少し考えてから、ものをいったらいいのにと思う。  仕事帰りに飲みに行こうと思ったがやめた。結婚以来の、あまりの大喧嘩をしたので、どうも気になって仕方がない。  しかし、家に直行するのもなんだか、気がすすまないので、しばらく時間を潰そうと思った。このままの気持ちでは、また喧嘩になるかもしれない。妻だって、まだ怒っているかもしれない。このまま... ...続きを見る

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2007/12/04 23:59
『風走る』
 早朝、五時ぴったりに、賢介は河川敷へとやってきた。  天気は良くないが、湿り気のない秋風が、肌に心地よい新鮮な刺激を与えた。  いつもの木々、いつもの水の流れ、いつもの町並み。  まだ薄明かりの空に、たくさんの白い雲が風にながれているのを、賢介は冷たい目で見つめた。  しばらく歩いてから、軽く準備運動をすませると、堤防ぎわのサイクリングコースを走り出した。  早朝のランニングは、二年前に高校に入ったころからの習慣だった。 ...続きを見る

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2007/11/29 22:30
『黄昏にささやく二人の教室』
 ベゴニアの花が、こちらを見ていた。  たれさがった薄紅色の花が、ゆらゆらとはかなげに咲いている。  それは、麻衣が校長室の出窓にあったものを、勝手にもってきたものだった。  夕刻の教室は、なんとなく寂しい。  単なる感傷だが、花があると、それも少しは違うのだと、麻衣は言う。  教卓の上に置かれたベゴニアは、たしかに鮮やかだった。  僕は、机にひじをついて、憂鬱そうに、窓の外を見た。  麻衣は、いつものように、窓際の棚にだらしなく腰をかけて、遠くを眺めている。この三階の教室からは、... ...続きを見る

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2007/11/25 01:00
『ハイ・テンション家族』
「どりゃー! ただいまー 帰ったぞー」 ...続きを見る

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2007/11/21 23:55
『この戦いに終止符を』
 俺たちは物陰に隠れて、奴らが通り過ぎるのを待った。  はぁっ、はぁっ……  くそっ。  自分の呼吸の荒さが、やけに大きく聞こえる。  背後を見ると、仲間の坂下恭介が見えた。  彼も息を荒くして、コンクリート壁にもたれている。全身、泥で汚れ放題だ。  ――何てことだ。  敵の包囲網を突破できたのは、俺たちだけか。 「坂下、大丈夫か?」 「大丈夫です、三嶋さんこそ、満身創痍ですよ……」  俺がニヤリとすると、坂下も微笑む。まだ気力は残ってるようだ。 「もう少しで味方の陣地へた... ...続きを見る

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2007/11/19 09:18
日本ブログ村小説カテゴリ横断ウルトラ短編地獄の巻
いきなり始めます。 ...続きを見る

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2007/11/16 01:25
『怪音』
 この世には、見てはならないものがある。  起こってはならないことがある。 ...続きを見る

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2007/11/14 18:38
『欠片』
「ねぇ、アキ、僕は何か足りない気がするんだ。僕は、どこか欠落してる人間なのかもしれない」 「そうなの? でもいいじゃない、リョウはそのままで――」 「よくないよ、僕は一生かけて、自分の欠片を探すつもりだよ」 「へぇ、それは、いい目標じゃないの」 「真面目に聞いてないだろ」 「聞いてるわよ、なんか足りないんでしょ。めんどくさいひとね」 「めんどくさいとかいうなよ、けっこう本気なんだからさ」 「ふーん。実はいうと、わたしは、その欠片の在り処を知ってるわ。でも、わたしは、なにも探さなくな... ...続きを見る

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2007/11/08 23:56
『懐かしい』
 たまの休日、部屋の掃除をしはじめた。  最初は普通に掃除をしていたが、子供の頃のアルバムが出てきて、すぐ中断してしまう。  懐かしいな。  当時の記憶はほとんどないが、とにかく懐かしい。  ひとつの写真には、父とわたしが、岩場で変なポーズを取っている。  ひとつの写真には、母とわたしが、腕を変な風に交差させて、なにかの練習をしている。  これは、何をしてるのだろう。実に、へんてこりんな格好である。  わたしは笑った。  記憶は定かでないが、なにか大事なことを習っていたのではない... ...続きを見る

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2007/11/06 23:59
『お帰りなさい』
 わたしは、この真新しい歩道橋の上から、町並みを見つめるのが日課だ。  毎日、ここへ来ているので、いつも寄りかかる手すりの部分だけ色が薄くなってきた気がする。  何をしているのかといえば、絶え間なく流れる自動車の列や、道行く人たちを眺めるだけ。  たまに歩道橋を通る幼稚園児を見ると、心がなごむ。  春の陽気に、わたしはあくびをひとつした。  実に静かな日であった。  少しはなれた商店街の八百屋では、いつものおばさんが、威勢のいい声をあげている。  本屋から出てくる高校生、小さな憩い... ...続きを見る

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2007/11/05 23:50
『昔・恋』
 昔、大人びた恋をした。 ...続きを見る

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2007/11/01 17:46
『久佐津温泉の死闘』(2) 迎撃篇
 俺は、闘いに備え、仲間のグレート・イカ捕を呼んだ。  今度の敵は、とんでもない強大な敵、ベップ・ザ・ジャイアントである。  さすがの俺も、苦戦を強いられるだろう。  だが、どうやら到着が遅れているらしい。  あの巨体ではやむえまい。まさに奴は、一人民族大移動。  俺は、グレート・イカ捕と修行をしながら、途中の温泉風施設で迎撃する計画を立てたのである。 ...続きを見る

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2007/10/31 23:22
『姉の日記』
 ある日曜の昼下がり、二階の自室で、俺は必死に勉強をしていた。  いまのままでは志望の高校進学が危ういのだ。  しばらく経って、シャーペンの替え芯が無いことに気が付いた。  コンビニはそう遠くないが、買いにいくのはめんどうだ。  俺は、姉に借りようと思い、隣の部屋をノックした。 「おーい、ねーちゃん。替え芯ない〜」  答えはない。  俺は、静かにドアを開いた。  どうやら出かけているようだった。そういえば、日曜の昼間は、ほとんど高校の友達と遊びまわってて家に居つくことはない。 ... ...続きを見る

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2007/10/30 22:43
『久佐津温泉の死闘』
 ――まちがいない、奴だ。  俺は遠い目をした。  とうとう、この時が来たのだ。  いつか来ると思われていた最強の刺客は、広い露天風呂の真ん中に置かれた岩の上で、腕を組み仁王立ちでこちらを見ていた。  顔はわからない。奴がかぶった銀色の覆面の額には、【箱】の一文字。  俺は、自分の覆面の後ろ紐が緩んでいないか確かめてから、大露天風呂へと一歩踏み出した。 ...続きを見る

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2007/10/25 00:46
『不安』
「うるせぇなぁ……」  くそ! 一体、隣は何をやってんだ。 ...続きを見る

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2007/10/19 10:59
『変』
 その日、わたしは、変人で有名な田中誠人先輩と買い物することになった。  直々の先輩から付き合えよと言われたら、断るわけにもいかない。  いや、そもそも断る気などなかったが―― ...続きを見る

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2007/10/11 01:18
『偏見』
「お、久し振り〜 洋輔じゃん、元気にしてたか」  仕事が終わって、大通りに面する、真新しいラーメン屋に入ると、懐かしい顔を見つけて僕は声をかけた。  同時に、いらっしゃいませー、という店員の元気な声が、広めの店内に響いた。  大学時代の友人である洋輔は、タオルを首からかけ、白いTシャツとだぶだぶのジャージといういでたちで、カウンター席にて、ラーメンとギョーザを食べていた。すでに生ビールが中ジョッキで二杯ほど飲み終わっている。 「まっちん? おおー! 六年ぶりくらいじゃね。元気だよー、今日... ...続きを見る

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2007/10/04 23:59
『アイ・マイ・家族』
「おーい、太郎。おみやげみたいなものを、一応買ってきたぞー。えーと、ほら? たしか欲しがってた、キュウレンジャーのゲームソフト……」 ...続きを見る

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2007/09/29 09:12
『夢織りの娼婦』(5) 白薔薇都市ニルダ
 僕は、手間のかかる手続きをして、騎士団本部にある地下資料室へ向かった。白い騎士とはいったい何者なのか。困難かと思ったが、意外にも、それは、すぐに判明した。  ――白い騎士は、個人ではなかったのだ。  白い甲冑は、ニルダの騎士が遠方への任務につくときに、指揮官が着用するものであったようなのだ。ちょうど、カーラが救い出された十年ちょっと前に、短い期間のみで廃止になった制度である。どうりで知らないはずだった。  白い甲冑は、外観は良いのだが、指揮官が目立つと敵の集中攻撃にあう恐れがあるので、治... ...続きを見る

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2007/09/14 22:56
『夢織りの娼婦』(4) 白薔薇都市ニルダ
 翌日、僕は一日そわそわして落ち着かなかった。  夕刻には、身奇麗にして、酒場に向かった。  カーラは、まだ来てなかった。僕はとっさに、からかわれただけ? と思った。しかし、すぐにカーラは訪れ、僕は疑ったことを心の中だけで謝った。  カーラは相変わらず綺麗だった。まるで天女のようである。横を通るときに、カーラから酒精のにおいがした。すでに飲んでいるようだ。  やがて、彼女の話がはじまった。 ...続きを見る

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2007/09/13 01:36
『夢織りの娼婦』(3) 白薔薇都市ニルダ
 ――私の名は、カーラ・ステッセル。  生まれは、貧しい農民の娘です。当然、学ぶ機会もなく、十歳くらいまで字も書けなかった。  だけど、あれは、その十歳を過ぎたころでした。  私の住む村が、東方から来た、大規模な蛮族集団に襲われて、焼きうちにあったのです。  村人の大半は殺され、女子供は捕らえられて売られました。  家族はみんな死に、天涯孤独の身。そして、自分は奴隷商人に売られる始末。 ...続きを見る

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2007/09/12 18:25
『夢織りの娼婦』(2) 白薔薇都市ニルダ
 僕は、騎士団の歓楽区駐屯所に、いったん戻ってから、夜勤の騎士に引継ぎをして、酒場に向かった。  その酒場『紫の雲』は、この歓楽区の主要通りで、もっとも大きな店である。  僕は二度目だったが、落ち着いた静かな雰囲気だ。  店内に入ると、彼女は窓側のテーブル席で、ひとり葡萄酒を傾けていた。  その姿は、まるで絵画の一部を切り抜いたように、古風な店内と調和して美しい。しかし、その視線はどこか中空をさまよい、なんとなくぼんやりとしている気がした。 ...続きを見る

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2007/09/10 22:02
『夢織りの娼婦』(1) 白薔薇都市ニルダ 
 リュートの音が聞こえた。  藍色に染まりかけた空は雲ひとつなく、石畳の街路を吹き抜ける秋風は涼やかだった。  夕刻の歓楽区は、この城塞都市ニルダのなかで、一番にぎやかな場所である。  騒がしい風景に取り込まれてしまうと、僕は、なんとなく疎外感を感じてしまう。  ここは本当に異質である。  今までの剣術と勉学に明け暮れた生活と比べれば、違う国に来たような気がしてくる。  僕は、エルメリア王国の首都であるニルダの新米騎士である。まだ、なかなか、まともな仕事をやらせてもらえない。この歓楽... ...続きを見る

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2007/09/10 02:59
白薔薇都市―Nilda―“ニルダ”
このたび、シリーズものを、スタートしてみたいと思います。 まぁ、短編50本達成する記念に。 …嘘です。ちいせぇ奴ですね。 記念というほどでもないけど、一応こじつけときましょうというだけです(笑) ...続きを見る

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2007/09/09 23:30
『幸せはどこに』
 絶え間なく続く、機械の音……  社会は、回っている。世界は、回っている―― ...続きを見る

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2007/09/01 01:33
『何処へ』
 私は、昼近くに目覚めた。 ...続きを見る

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2007/08/31 19:52
『おともだち』
 その日、ニューヨークの空に、巨大な宇宙船が飛来した。 ...続きを見る

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2007/08/29 18:59
『視界の蛇』
 ずいぶん昔からの話だ。 ...続きを見る

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2007/08/23 23:50
『世界でふたりだけ』
 彼女と再会したのは、三年ぶりのことだった。 ...続きを見る

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2007/08/19 09:33
『マイ・カー』
 男たちにとって、そこは特殊な場所である。  夢想する、安らぎの空間と呼ぶ者もいる。  一人でいたいときに、確保できる安全地帯と考える者もいる。  感情を爆発させる者もいる。  女性のように愛情を注ぎ込む者もいる。  ペットのように愛情を注ぎ込む者もいる。  道具と割り切れる者は少数だ。  やがて、男たちは究極の世界へと入り込む。 ...続きを見る

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2007/08/12 04:50
『エンドレス』
 ――ああ、あれから何年が経つのかしら。  いつのころからか、時の流れに身をまかせ、季節の変わることさえ気にしなくなっていたわ。  永遠に春のこない世界にうずもれて、まるで化石になった氷河期の植物のよう――  わたしは、なぜ、あなたと出会ってしまったのかな。  運命なんて信じていないけど、それ以外に言葉が見当たらない。  きっと、わたしは幸せだった。誰の祝福もなかったし、誰に幸福を与えることもなかったけど、あなたが居るだけで満足でした。 ...続きを見る

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2007/08/10 02:44
『聖なる嫁』
 最近、俺は肩がこる。  結婚する前はこんなことはなかった。  結婚のせいのように言うとまずいのだが、だいたい境目はそうだと思う。  いま、はっきりいって嫁が怖い。  結婚するまで、まさか尻に敷かれるとは思っても見なかった。うちの家系は、カカア天下が多いが、まさか自分もそうなるとは――  嫁が怖いなんていうのは、世間では良くあることだろう。だが、うちは少し特殊だと思う。  とにかく何かが違う。言葉にできないような怖さである。  今日の俺は日曜なので、朝からだらしない姿で、リビングの... ...続きを見る

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2007/08/08 16:00
『午後の情事』
「春奈!」 ...続きを見る

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2007/08/06 04:49
『天使のような彼女』
 道行く彼女を見た。 ...続きを見る

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2007/07/30 12:35
『気のせい』
 ――今日は暑かったな。 ...続きを見る

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2007/07/28 23:08
『助けたい』
 彼女は交通事故死だった。  わずか二十歳の命だった。 ...続きを見る

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2007/07/26 16:52
『女王さま』
 わたしは女王だ。 ...続きを見る

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2007/07/25 17:00
『カルマの目』
「この、くそジジイ、なんとかなんねえかな」 ...続きを見る

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2007/07/25 16:33
『ひまわりと妖精』
 真夏の直射日光の下、からりと晴れた空を見上げて、徳永誠治くんはため息を吐きました。  日曜の駅前広場は、大勢の人があふれております。  学生は夏休みを謳歌し、レジャーの季節でもあり、今日のような日はどこへ行ってもにぎわっているでしょう。 ...続きを見る

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2007/07/23 16:43
『五分間』
 無性に腹が立っていた。  これから早朝の補習だった。  母親の、気をつけなさいよという声が聞こえ、よけいに怒りが増した。  感情が抜け落ちた不自然な気遣いに腹が立つ。  腫れ物に触るようなコミュニケーションは憂鬱だった。お嬢様育ちの母親は繊細だが思いやりがまったくない。 ...続きを見る

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2007/07/21 09:38
『希望の調べ』
 何もかもが嫌だった。  会社の同僚も、男友達も、親友も、家族も、彼女にはなんの助けにもならない。  由梨は、とにかく死にたかった。  自分には何も価値が無い。  そんな考えに、最近ずっと、とらわれていた。  なに不自由なく育ち、ごく普通の中学校、高校、大学と卒業をしたものの、何かが自分には足りないと思っていた。 ...続きを見る

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2007/07/20 12:38
『座敷わらし』
「あらあら、寝相が悪いのね」 ...続きを見る

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2007/07/17 05:48
『なにもない数字の名を持つ魂』
 私がここに来たのはいつのことだったろうか。 ...続きを見る

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2007/07/15 18:00
『梅花』
「私のこと忘れましたか?」 ...続きを見る

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2007/07/12 05:51
『天使と悪魔』
 気が付くと、天使のルルは、冷たい地面で寝ていた。  頭を振る。ここはどこだろう。たしか、天界の端っこで昼寝をしていたはずだった。  周囲には奇怪な岩山と、赤い池が見える。硫黄の臭気が立ちこめた場所。地上とも違うようだ。  ルルは、ふと自分の手を見た。そして、驚愕した。  見慣れた白く美しい手が、赤褐色の肌に変わっていた。指先には強靭な鋭い爪まで生えている。 ...続きを見る

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2007/07/04 11:15
『超感覚』
 正弘は高校球児である。  今、まさに甲子園への切符を手に入れようとしていた。  県内でも弱小野球部だったのに、ここまで勝ち進んでこられたのは、正弘の活躍のおかげといっても過言ではない。  正弘は自分の才能に感謝していた。  この能力に気が付いたのは、中学生の頃だ。打席に立ち、神経を集中するとピッチャーの投げた球が少しだけゆっくりと感じることに気が付いたのだ。  しばらくたっても、その感覚は失われることなく、試しにバッティングセンターに行ってみれば、最高速度に設定しても軽々と打ててしま... ...続きを見る

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2007/07/03 18:11
『残酷な王様』
「女だ、美しく高慢な女を連れてこい」 ...続きを見る

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2007/06/19 16:44
『空気を読む』
【現代系、読了時間 3分程度】 [ある才能のお話……] ...続きを見る

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2007/06/18 23:11
『食育』
【SF系、読了時間 2分程度】 [食育の大事さを知ったのは……] ...続きを見る

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2007/06/17 15:51
『充実感』
 一年ほどまえから失踪していた親友のユウジが、変死体で見つかった。  ここから三十キロも離れた安アパートのトイレで、洋式便器に座ったまま死んでいたらしい。  ひどく衰弱して死亡したようで、まだ二十歳なのに、警察は四十代の中年男性だと初めは判断していたという。  結局、死因は極度の衰弱による心臓麻痺だと判明した。  事件性は無いということだった。  高校を卒業し、ごく平凡な組合職員として地元で働いている俺にくらべ、ユウジは派手な生活をしていた。  隣県にある、そこそこ有名な大学へ行き、... ...続きを見る

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2007/06/15 22:44
『忘れていた決着』
 わたくし、生まれも育ちも、ルーマニア、トランシルバニア。  華麗なる城郭で産湯をつかい、姓は……。 ...続きを見る

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2007/06/11 12:07
『魑魅魍魎の住む都』
 去年の暮れ、都内の年間殺人件数が三千人を超えた。  やっぱりというべきか、それは当然の帰結なのかもしれない。  景気も悪いし、政治には汚職と無責任がはびこっている。  毎年、治安は悪化の一途をたどり、もはや自浄作用も働かない。政府は治安回復の決定打も見出せず、とうとう民間人の銃所持法案が国会で審議中である。  この街では、夜十時以降に外を出歩くことは、正気の沙汰ではない。  あっという間に身包みはがされ、女性は強姦されて置き去りにされ、抵抗すれば土か海に還ることになろう。  和也は... ...続きを見る

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2007/06/10 05:09
『ご近所の常識』
 それは極めて友好的な接触だった。  ある日、堂々と雲間から現れた小型の未確認飛行物体は、一度国連ビルの上をウロウロしたが、しばらくすると迷わずホワイトハウスへ向かった。  邀撃機のF16戦闘機を軽快に避け、スティンガー携帯対空ミサイルを数発浴びてもビクともせず、難なくその庭へと降りた。  軍隊が出動し、少し離れて取り囲んだ。  やがて現れたのは、皮膚がピンク色だが、人類とほぼ同じ形態の異星人だった。 ...続きを見る

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2007/06/08 19:04
『不惑のサカイさん』
 サカイさんは、並外れた決断力の持ち主だ。  子供の頃から迷ったことなど、一度もない。  間違った場合も、実にあっけらかんとしている。  そこそこの学校を出て、そこそこの就職をして、いままで人生を生きてきたが、その強烈な判断力は、人生の枷にはなっても、良く働くことはほとんどなかった。  裁判官だって、実生活においては、ある程度はイージーだ。いちいち決断はしない。  サカイさんは、いちいち判断し決断する。  いいかげんな奴は大嫌いだ。無謀にも、あきらかに薬が入ってる少年に路上で注意をし... ...続きを見る

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2007/05/31 16:41
『きょうの猟奇』
「どうした、そんな顔して……」  私が寝ぼけ眼で、コーヒーを飲んでいると、ゴミ置き場に燃えるゴミを、出しに行っていた妻が、ゴミ袋を持ったまま帰ってきた。狐につままれたような顔でこちらを見ている。 「……おかしいわ」 「何が」  私はタバコに火をつけた。時計を見る。食パンを食べてる時間はなさそうだ。 「それが、ゴミ置き場に行けないのよ」 「工事中か?」 「いえ、道に壁があるのよ」 「なんだそれは」  妻は説明できないで、口をパクパクさせる仕草をした。あきらかに様子がおかしい。私は... ...続きを見る

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2007/05/30 22:41
『ドライブ』
「コンニチハ、そコハドコデスか?」 ...続きを見る

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2007/05/27 12:34
『ストーカー』
 光一と曜子は、結婚を一ヶ月ほど先に控えていた。  準備が進むなか、曜子には心配事があった。  去年、光一と付き合い始めたころ、知らない女性が光一に、つきまとうのに気が付いた。  あれから一年が経つが、時折あらわれては、遠くからこちらを伺っている。  そこそこ可愛らしい顔をしており、世間的に美男子の部類である光一なら、ストーカーもありえる。  身に覚えがあるか、光一に聞いても、要領を得ない答えばかりだ。とりあえず、その女については記憶が無いというし、前の彼女でもないらしい。  最近で... ...続きを見る

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2007/05/22 17:53
『機械化』
「用意できました、社長。……これで詳細な機械化状況が計測できますね」 「うむ。これで今年から、わが社の新入社員採用は安泰だな」 ...続きを見る

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2007/05/20 11:15
『ラッキーセブン』
 俺は、七に呪われている。  呪いといっても、良い呪いだ。  呪われているのに、良いというのもおかしいが、俺にとって、そんな感じの数字が七である。  昔から、七という数字に縁がある。いや、もはや縁というレベルではないと思う。  七月七日の午前七時に生まれたのを皮切りに、小学校から高校まで、出席番号は七番。  友達同士や、学校の行事でくじをしてなにかを選ぶときも、だいたい七番を引けば高確率で、ラッキーなことが起きた。  小学校のころに、車にはねられそうになったとき、助けてくれた人の苗字... ...続きを見る

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2007/05/16 23:50
『動物愛護』
 今日、無節操かつ、低劣なペット業者が逮捕された。  餌もろくにやらず、不衛生な環境で、運動もさせずに長期間、檻に閉じ込めていたらしい。  ひどい動物虐待だが、法律ではたいして罪にならないのが、納得いかない。適用されるのが、器物損壊というのはどうなのか。  彼らはモノではない。  セイジは、夜七時のニュースを見ながら憤慨していた。  三年ほど前から、地元で小さな動物愛護団体を立ち上げ、ボランティアにいそしんでいる立場としては、身を切る思いである。  ビーフジャーキーをつまみに飲んでい... ...続きを見る

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2007/05/14 22:04
『思い出と空と命』
 いつから僕は、こんな感傷的になったのだろうか。  一年ほどつきあった彼女と、ささいな喧嘩で別れた。  僕は引き止めなかったし、彼女は泣くこともなかった。  友人の紹介で付き合うことになった僕らだが、恋愛というより、単なる馴れ合いだったのかもしれない。  それは、少しだけ高度な、おままごと。  一年は長いようで短かかった。  空気に流されがちな僕らの世代は、なにが重要で、なにが大切なのかを感じることが、不得意なのかもしれない。  平和に埋もれ、まるで枯葉のように脆い。  くだらな... ...続きを見る

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2007/05/12 12:39
『日本一の王者』
 和也は、会社帰りの黄昏時、なにげなくいつもと違う道に曲がって歩き出した。  単調な毎日に少し疲れていた。  最近は忙しく、実家にも顔を出してない。老いた母は気丈な人で、父が亡くなった後も家を守り続けている。そろそろ孫の顔も見たくなっていることだろう。 「わが会社は、有給あって無きのごとくだからな……」  口に出して言ってみたら、ひどくなさけない気分になった。  最近の日本経済は本当に悪い。  それでも悪いといってられるうちは、そんなに最悪でもないのだろう。少子高齢化は進み、労働者人... ...続きを見る

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2007/05/11 03:49
『遺跡の魔物』
「貴様、俺を騙したんじゃないだろうな」 「めっそうもない。ちゃんとした話ですぜ」 ...続きを見る

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2007/05/09 02:09
『最強を求めて』
「よし、やってくれ」 「本当にいいのですか、チャンピオン。いえ、ビリー。本当に奥様に別れの挨拶はしないのですか?」  白衣の科学者は、ビリーの入ったカプセル状の機械の最終チェックをしながら聞いた。 「いいさ、きっと、わかってくれるだろう。ここで泣かれても困るしな。俺はもう抑えられないのだ。このたぎる力の奔流を」  ビリーはガラス越しに力こぶしを見せた。凄まじい筋肉である。  カプセルの中に横たわる、二メートル近い筋骨隆々たる巨体は、まさに戦うために生まれてきたような見事なものである。 ... ...続きを見る

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2007/05/07 22:28
『予知能力』
 俺は、たぶん世界を支配する。  なぜなら、俺は未来を予知することができるからだ。 ...続きを見る

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2007/05/03 17:10
『ダイエット』
 由紀は今度こそはと、強い意志をもって、減量をすることを決心した。  先月、定期健康診断で病院に行ったとき、かっこいい男性の看護士に、笑顔でもう少し体重を減らしてくださいねといわれたのが、理由である。  たわいもないが、人間そんなものだ。  由紀の体重は、平均値から二十キログラムは多い。 「たぶん、由紀はダイエットしたら、かなり美人かもしれないよ」  親友のその言葉が、強い味方だ。  一週間が経ち、五キロ減量に成功した。しかし、これは壁である。  失敗の経験から、五キロぐらいが壁で... ...続きを見る

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2007/05/02 15:49
『変革』
 二十一世紀中盤。  京都大学の研究グループが、画期的な技術を確立した。  それは、人類の紀元前からの念願である、不死の技術である。  神経細胞を異常に強化することで、人間も蜥蜴の尻尾のように、指を失っても、足を失っても、数日から数週間で再生できてしまうという夢の実現だ。 ...続きを見る

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2007/05/01 16:23
『理解されない』
 地球連邦衛生局、査察官のカトーは、人類が初めてコンタクトした地球外生命体であり、唯一の人型知的生命体でもある、アルマリク人の星へと調査に向かっていた。  アルマリク人の星は地球から遠く、現在の地球連邦、つまり人類の技術力をもってしても、往復に最低二ヶ月はかかってしまう。  カトーの任務は、三年前の貿易協定で結ばれた、アルマリクからの輸入物における防疫調査なのだが、それは表向きで、実はアルマリク人の強制労働の実態を暴くことにあった。  それは旅行者の匿名告発でわかったことだが、なぜ地球連邦... ...続きを見る

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2007/04/28 17:53
『希少生物保護区』
 世界は滅亡した。  原因は不明である。  それを特定する人間もいなくなってしまったのではどうにもならない。  隕石の衝突。  偶発的核戦争。  いろいろ考えられたが、世界中に起きた大災害はどうにも説明できない。破滅的異常気象に大津波と大地震。それにつづく火山の噴火。人類はいったいどれほど生き残っているのだろうか。それは、もはや誰にもわからないことだった。 ...続きを見る

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2007/04/27 22:24
『見かけによらない』
「やっぱ、おたく、雑誌に出てなかった?」  安っぽい占いの館で、安っぽい服装の占い師に、客の若い男が言った。  うだつのあがらないサラリーマンのような顔をした中年男の占い師は、少し困った顔で曖昧にうなずいた。 「そう。あれだ、あの風俗系の……」 「ええ。確かに。出ましたよ、半年くらいまえのやつですね」 「じゃ、やっぱり有名な占い師の人なの」  占い師は肩をすくめるようにして首を振る。 「いえいえ、そんな有名じゃ無いです。それにしても、ずいぶん前の小さい記事だったのによくわかりました... ...続きを見る

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2007/04/26 17:43
『こうなったら』
 俺は駄目だ。  俊章は、頭をかきむしりながら呟いた。  ちょっと挫折しただけでニートなどと呼ばれ、くだらん連中に蔑まれ、こんな馬鹿なことってあるか。  冗談じゃない。こんな人生もう嫌だ。  働きたくない、遊んで暮らしたい。  こうなったら、悪魔に魂を売ってでも人生を建て直し、馬鹿にした奴らに復讐してやる。  俊章は、以前古書店で手に入れた、古いヨーロッパの悪魔召喚本を片手に、文字通り悪魔を呼ぶことで人生を解決しようとしていた。  自室のフローリングの床に、白いチョークで円を描き、... ...続きを見る

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2007/04/25 14:01
『湯瓦さま』
 そこそこ有名な温泉の町で、俺がその話を聞いたのは、昨日の夜だった。  観光客が、つり橋から転落して死んだらしい。  それだけなら、別にたいしたことでもないだろう。特に気にならなかったかもしれない。しかし、みやげ物屋のおばさんが、近所の年寄りと話していた噂に興味をそそられた。 「こりゃ、湯瓦さまの祟りかしんねぇ」  俺は、祟りなんて信じないし、怖いわけではない。むしろ、ちょっと面白いと思った。  たまの休暇に友人連中と、この田舎の温泉地へ来たものの、温泉に入ってちょっと散策しただけで飽... ...続きを見る

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2007/04/22 17:00
『魔王氏(年齢不詳)独身』
「神め!」  魔王は、ちゃぶ台をひっくり返した。  醤油と目玉焼きが宙を舞い、フローリングの床を茶碗が滑る。  部屋の持ち主である、大学生の利明が、部屋の隅で震えていた。  朝食がぶちまけられた床には、血文字で幾何学的な図形がかかれている。 「神の野郎め、絶対にぶち殺してくれる。やっとだ、やっとこの時が来たのだ、二万年の長きにわたる地獄での塗炭の苦しみと……」 「……あのぉ」 「絶望と、意志が砕けるような、暗鬱なる退屈の悪夢は……」 「あのぉ、盛り上がってるところ悪いんですが」 ... ...続きを見る

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2007/04/21 12:07

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